三次貨物運送(細川一郎社長、広島県三次市)は猫のダイゴとモモンガのモンちゃんが社員を和ませている。
細川社長が出前授業の講師を務めることになったのをきっかけに、ホームページ(HP)を刷新。同時にダイゴは「営業部長」に、モンちゃんは「ストレス癒し部長」に就任し、会社のPRに一躍買っている。ダイゴ部長は「なでると仕事で幸運が訪れる不思議な猫」(細川氏)と言い、取引先からも人気を博している。
毎年、広島県トラック協会(小丸成洋会長)では県内の高校などで出前授業を開催している。2024年10月に県立向原高校で行った出前授業では、北備支部の支部長でもある細川氏が講師を務めた。その際、周囲から「生徒は必ず三次貨物運送のHPを事前にチェックするのでリニューアルしたほうがいい」とアドバイスを受け、専門知識を持つ知人に依頼して8月に刷新した。HP内のブログでは日常の出来事や地域貢献活動などを頻繁にアップしているが、とりわけ大きな存在感を放っているのがダイゴ、モンちゃんの両部長だ。
ダイゴは飼い猫ではなく、あちこちの放浪し、冬場などに事務所に居つく。25年5月に13歳になったばかりで、仕事は来客者の応対、夜勤、宿直、巡回など。勤務時間は気ままに過ごし、給与はキャットフード、ボーナスはにぼしとかつお節だ。細川氏は「求車、求荷システムで荷物が見つからずに困っている時に配車担当者がダイゴをなでると、急に仕事が舞い込むことが何度も続いている。顧客や社員のおかげだろうが、ディーラーの営業マンはありがたがって何度もなでていく」と顔をほころばせる。
モンちゃんは推定12歳で、給与はチーズたらと白ごはんの現物支給。福利厚生として「だっこ」を用意するなど、ユニークな存在だ。細川社長の三女、細川夏取締役が飼っており、ショルダーバッグに入って同氏と共に出退勤している。
三次貨物運送は動物愛護活動に積極的で、一時保護用の小屋を事務所に併設。譲渡会までの期間の世話をしており、現在は3匹の猫を保護している。こうした動物の受け入れは、社員が転居により飼えなくなった犬を会社で買い始めたことがきっかけ。また、トラックには細川取締役が描いた動物の作品を貼り付けており、ドライバーから好評だ。
両部長は全社員から可愛がられており、癒やしの存在としてドライバーたちを笑顔にしている。
(宮本晶子)
